2023モーターボートレディスカップ<ヴィーナスシリーズ第8戦> |
女子史上初のSG覇者であり、昨年末の当地クイーンズクライマックスシリーズでも優出と存在感を示した遠藤エミ(滋賀)。今年は優出3回で優勝なしと昨年の飛躍を考えれば物足りない現状だが、実績は誰もが知るところ。およそ1年ぶりの優勝で再び女子トップ級の実力を誇示する。
近況のリズムが良いのは鎌倉涼(大阪)と川野芽唯(福岡)の100期コンビで、ともに今年勝率は7点台をマーク。特に地元の鎌倉にとっては念願の当地初Vを飾った昨年6月以来となる優勝へ向けてモチベーションも高い。
同じ昨年6月戦で優出した五反田忍(大阪)は、今節こそ師匠としての意地を見せて鎌倉より前を走る気持ちだ。落合直子(大阪)は、昨年の当地QCシリーズで優出。2月のGⅠ近畿地区選では予選2勝で準優入りを果たすなど、地元水面ではエース級の活躍を見せている。そのほか地元勢では、さばきに安定感のある原田佑実(大阪)、徐々に頭角を現してきた上田紗奈(大阪)、実力十分の西村歩(大阪)らも上位争いに食い込む。
パワー勝負に持ち込んで1着を奪う堀之内紀代子(岡山)と西橋奈未(福井)は、ともに出場選手ではトップの今年2Vと決定力が高い。半年でA1級復帰と底力を示した日高逸子(福岡)に、岸恵子(徳島)、中里優子(埼玉)、香川素子(滋賀)らベテラン勢も楽しみ。若手では着実に力を付けてきている清埜翔子(埼玉)と中村かなえ(東京)に注目だ。
関東の「まくり姫」が得意水面で爪痕を残す。最大の持ち味は天性のスタート力で、2023年後期の平均スタートタイミングはコンマ14。2023年前期にフライングを2本切ったとは思えない思い切りの良さがあり、2020年後期と2022年前期には平均STコンマ12をマークするなど全国でもトップクラスだ。さらに最近はモーターやプロペラの調整の幅も広がっており、3.00台だった平均展示タイム順位も2.83と安定して好タイムを叩き出していることが証明となる。その結果、自分からレースを作る場面が増え、2023年後期は自己最多の26勝を挙げた。2024年前期審査期間はまだ1カ月半ながら既に13勝をマークしており、勝率も6点台に乗せるなど初のA1級昇格へ向けて勢いを加速させている。
当地は今節で4回目と出場機会こそ少ないが、2021年7月のヴィーナスシリーズでデビュー初優出を果たした記念すべき水面で、同年11月の男女W優勝戦でも持ち味を発揮して現在2連続優出中と、複数回の優出歴があるのは当地だけだ。近況リズムの良さに相性の良さまで加われば、デビュー初優勝まで突っ走る可能性は十分にある。