第7回auじぶん銀行賞 |
当地GⅠ周年記念から中4日で行われる今シリーズは7日間の長期決戦。主役候補としての期待が懸かるのは渡辺浩司(福岡)だ。新勝率6.87は出場選手トップの数字で、Vこそないが優出7回と変わらず安定した走りを各地で披露中。また、当地は通算2Vに目下2連続優出中と相性面でも優位に立っている。
対抗格は杉山正樹(愛知)。3月宮島での今年初Vを皮切りに、4月には若松と平和島、そして5月常滑で3連続優出を果たすなど上昇気流に乗っている。さらに当地はGⅠ優出歴に一般戦では優出多数と、こちらも水面攻略には自信ありだ。
当地成績では、過去に一般戦で3連続Vの実績が光る高野哲史(兵庫)も楽しみ。4月には多摩川と尼崎で連続優出を果たすなど調子も上がってきている。金田諭(埼玉)は当地V歴こそないが、新勝率は前出の渡辺に次ぐ成績を残しており、この勢いなら初Vを決めてもおかしくはない。びわこゴールデンウイーク戦でエース・守田俊介のイン戦を4コースまくりで破ってVを決めた松山将吾(滋賀)、来期もA1級と地力を底上げしている松尾祭(香川)にも注目したい。対照的に、武富智亮(佐賀)は来期降格で巻き返しが必要。デビュー初Vの水面で再浮上のキッカケをつかむか。
地元勢では繁野谷圭介(大阪)も来期はA2級からの再出発となるが、勝率6点台キープと調子自体は悪くない。勝手知ったる地元水面を足掛かりに半年でのA1級復帰を目指す。4月戦で優出した倉谷和信(大阪)の経験値も無視はできない。
2024年前期審査期間はまさかの勝率6点割れと精彩を欠き、23期続けていたA1級の座から陥落。2024年後期審査期間はさらに勝率を落とす結果に。「ずっと伸び足を重視した調整をしていたけど、去年くらいから出足を重視した調整をするようになった。そこから自分のレースができなくなっていた気がする」。これは平均展示タイムの順位にも表れており、A1級時代はずっと2.0位台だったが、ここ1年は3.0位台とタイムが出ていないことが分かる。原因がハッキリしている分、修正するのに時間はかからなかった。
新期審査期間初戦の福岡では2走目に5コースまくりで白星を挙げると、3走目には2コースまくり、そして予選ラストの7走目には3コースカドからまくり一撃を披露。そのままトップ通過を果たすと、準優勝戦も優勝戦もトップスタートから逃げ切って約1年半ぶりのVを飾った。「やっぱり自分には伸び型が合う」。前期までの消極的な姿はどこにもなく、本来の積極的な走りを取り戻しているのは間違いない。このまま一気に上昇気流に乗りそうだ。